本学部は島根大学初の工学部として、島根大学のみならず県内を始めとする産業振興の核になる期待を背負って、2023年4月に開設します。1980年代、我が国の製造業は、世界をリードしていましたが、失われた30年間で失速し、現在ほぼ唯一の希望である自動車産業も、電気自動車のうねりの中で苦戦を強いられつつ有ります。しかし、材料・素材の分野は、地味ではありますが、世界で戦えるTOPの技術力を維持し続けており、我が国経済の最後の砦です。幸運なことに、例えば電気自動車もキー技術は、軽量車体を可能にする複合材料、Liイオン電池や全固体電池、高性能モータを支える永久磁石等、全て材料開発が国際競争のカギを握っています。材料開発は、電気・機械技術と比べ一朝一夕には進まないので、材料技術が製品開発の律速になり、必然的に多くの製品のキー技術となるのです。
　本学部は、機能性材料を含む金属分野の先生方、有機・無機化学の先生により、広範な”材料“を研究対象とし、さらに情報の先生方が加わり、エネルギー問題の解決を材料の視点から取り組んで事業化を目指す、全く新しい工学材料研究グループとしてスタートを切ります。
　高校生の皆さん、我々と共に材料エネルギー学部の歴史を作りながら、皆さんの夢を育ててみませんか。

材料エネルギー学部長　三原　毅