公開日 2026.02.20
2025年12月5日~12月11日の平日5日間、「高校生のための材料工学実験2025」を実施しました。
高校生向けに金属などの様々な材料に興味を持ってもらおうという取り組みで、松江市内の4高校から20名の生徒が参加しました。
島根大学に2023年に誕生した材料エネルギー学部では、金属材料に加え、機能性材料、生体材料など広範な材料を対象とした教育研究を行っています。
今回は2025年春に完成した新棟での初開催となりました。
実験は3つのテーマを用意し、参加した学生は興味のあるテーマを選んでグループに分かれ、実験に取り組みました。
5日間の学習は初日のガイダンスから始まり、3日目まではテーマごとに分かれて実験に取り組みました。4日目には実験結果の整理とポスター作成を行い、
最終日の5日目に成果発表という、充実したスケジュールでした。
学生たちは担当教員とともに、大学の研究設備を活用しながら実験と学びを深めていました。
ところが、インフルエンザの流行で数校が学年閉鎖になり、途中からおよそ半分の参加者が出席できない事態に。
最終発表会は9名の生徒で行いました。当日は、教員や研究生、学生など多くの聴講者を前に、質疑応答に苦戦しながらも、一人ひとりが一生懸命に発表していました。
終了後参加した高校生からは、「普段、触ることのない機械などを使えて楽しかった。」「発表するときの事実と自分の考えの分け方など学ぶことができた」「実験の目的や材料の性質を深く理解できる学習環境に魅力を感じた」など感想が寄せられました。
短い時間でしたが、ご参加されたみなさんにとって、有意義な時間となりましたら幸いです。

実験テーマの担当と目的
グループ1.『ノーベル化学賞の有機実験を体験しませんか』澤野 卓大 准教授
薬やプラスチックを作るために、有機化学に関する技術が使われています。この体験実験では、2010年に日本人がノーベル化学賞を受賞した有機合成技術を実際に行いました。

グループ2.『和包丁の秘密を探る~鉄の焼き入れ~』千星 聡 教授 林 杉 助教
日本古来の「たたら製鉄」は、島根県で発展した伝統的な製鉄技術です。ここで生まれる「玉鋼」は、日本刀や和包丁の素材となります。
鉄と炭素からなる玉鋼は、「焼入れ」と呼ばれる熱処理によって硬さや性質が大きく変化します。では、硬さはどのように制御されるのでしょうか?その仕組みを、実験を通して学びました。

グループ3『超音波を用いた工業材料の材料診断』 辻 俊宏 准教授
工業材料の変形予測には材料の変形しやすさ(堅さ)を調べる必要があり、超音波の速さ(音速)の評価は安全かつ精密な方法として知られています。
また、音速は物質により一定値を持つので、伝搬時間を調べると材料の内部診断に使えます。ここでは代表的な工業材料を使ってこれらの測定を体験しました。

2月10日「高校生のための材料工学実験 特別プログラム」開催
12月の企画に途中から参加できなくなった生徒のために、特別プログラムを実施しました。
前回の実験の続きを行ったり、測定の様子を見学したりしながら、班に分かれて2時間の実験体験にも取り組みました。
最終発表の代わりには簡単なレポートを提出してもらい、さまざまな材料への理解をさらに深める機会となりました。

